植物事典

 風蘭      品種

木姿・付け・軸・根
前回更新日 更新日2008年10月17日

◆木姿・葉形による分類◆
◆木◆  蘭は草ですが古典園芸の世界では「木」という言い方をする場合があります。
 大きく育って状態の良い個体を上木(じょうぎ)といったりします。
 蘭に限らず、古典園芸は、対象の植物を草であっても木と呼びます。
◆木姿◆
並葉 通常の大きさで、通常の形の葉型
姫葉ひめば 緩やかに湾曲する葉形
受け葉うけば 葉先が露を受けるような感じなる葉形
露受け葉つゆうけば 葉先が露を受けるように上を向いた葉形
丸止めまるどめ 葉先の方まで幅がある葉形
立ち葉たちば 葉の伸びる角度が、45度以上の葉形
直刀葉ちょくとうば まっすぐに伸びる葉形
垂れ葉たれば 葉元より下に葉が垂れる葉形
力葉りきば 先端から1/3の所で折り曲がる葉形
湾曲葉わんきょくば 円を描く様に曲がる葉形(葉芸)
◆木姿・葉型による分類◆
並葉 通常の大きさで、通常の形の葉型
豆葉まめば 葉の長さが短くなる葉芸
長葉 葉の長さが長くなる葉芸
広葉ひろは 幅の広い葉型
木の葉型このはがた 上から見ると木の葉の様に見える葉型
針葉はりば 棒状で葉先の尖った葉型となる葉芸
剣葉
鈴虫剣すずむしけん 上から見ると、葉の先端に鈴虫の輸卵管の様な葉幅の無い、細い葉が出る葉芸。
狂い葉くるいば 狂った様に曲がりくねった葉が出る葉芸
のし葉のしば 熨斗の様に、両端を合わせた様な葉になる葉芸
管葉くだば 葉が管のように、まるまっている葉芸
樋葉といば 葉が中心で折れて、断面がVかUとなる葉芸
燕尾葉えんびば 葉先が割れて、M、燕の尾っぽ様に見える葉芸
ガシ 葉の肉厚が、線状等に盛りあがったりする葉芸
こうりゅう
コンペ 葉質の変わった突起物等がでる葉芸(ウィールス、虫等による変形とは違う)
堅状線けんじょうせん 葉の表面の、凹状の細かい線(葉芸)
立条線りつじょうせん 葉の表面に出来る、糸の様な細い凸状の線
墨すみ 線状に葉の気孔(空気の取り入れ孔)がつぶれる事によって、現れる黒い線。
透かし星すかしぼし 点状に葉の厚みが薄くなり、日に透かすと、星のように見える芸
◆木姿・葉状(地合)による分類◆
地合
絹地きぬじ 葉の表面が、滑らかできめ細かい地合い(通常の地合い)
艶消しつやけし 葉の表面に光沢のない地合い
照り葉てりば 葉の表面に艶のある地合い(葉芸)
鑢地やすりじ 葉の表面に、鑢の芽の様な、細かい横ジワが入る地合い(葉芸)
羅紗地らしゃじ 葉の表面に細かい凸凹が出来て、光沢が無くなった地合い(葉芸)
◆軸による分類◆
 株の付け根辺りの部分を示す用語(葉が落ちた後に、細い木の幹の幹の様な軸がある。こ れが本来の軸か)
 葉や軸の部分に出る褐色の汚れを泥と言います。
 紅色の色素(アントシアニン)と葉緑素の緑が混じって茶色になったものです。
 通常は葉よりも軸の部分に多く出て泥軸と呼ばれます。
 斑入り、その他で葉緑素の少ない品種は泥が紅色になる場合もあります。
 もともと紅色の色素を持たない品種もあり、これらは青軸と呼ばれ、泥は出ません。
青軸あおじく  軸に泥がない緑色の軸
 軸(茎)の部分に褐色の色素が無い品種で、蘭に限らず全ての植物で呼ばれます。
 通常は紅色の色素(アントシアニン)と葉緑素の混ざった褐色の色素を持つ個体(泥軸)が一般的  です。
 青軸は泥軸に比べ数が少ないので珍重されます。
紅軸べにじく  泥軸より赤みの強い軸
 泥軸の「泥」は紅色色素と葉緑素の緑が混じった茶褐色の汚れです。
 泥軸でも軸の部分に斑が通った個体は葉緑素が少量です。
 紅色の色素が葉緑素で濁らないので軸が紅色になります。
泥軸どろじく  泥(アントシアン)がある軸
 軸(茎)の部分に褐色の汚れが出る個体を泥軸と言います。
 富貴蘭でよく使われる言葉ですが、棒蘭でも青軸と泥軸があります。
 青軸が選別されている全ての植物には比較対象としての泥軸が存在します。
●矢による分類●
泥矢
青矢
紅矢
飴矢  長生蘭によく見られますが大黒蘭などでも見られる場合があります。
 茎の色が澄んだ飴色(稀に澄んだ緑色)の半透明になります。
 殆どの場合、葉に中斑や中透けがありますが無地の葉で飴矢の品種もあります。
◆付けによる分類◆
◆付け◆  葉の付け根の離脱層のことを付けと言う。(=離脱層)
◆月型◆つきがた  付けの形が、ノ、三日月型のもの。
◆波型◆なみがた  付けの形が、〜、波の様に凸凹するもの。
山型◆やまがた  付けの形が、へ、真中が盛り上がった山形のもの。
◆一文字型◆
いちもんじ
 付けの形が、―、直線のもの。
◆変化型 1◆  月、波、一文字などの形を複数持つもの。
◆変化型 2◆  もともと持っている付けの形が芸によって変化するもの。
◆付けなし◆  付け自体を持たないもの、無いもの。
◆根による分類◆
◆根◆  富貴蘭は根を鑑賞の対象にしたり、根で品種を見分けたりします。
 富貴蘭の根の先端5〜10mm位の部分が成長期に色付きます。
 泥軸(軸に褐色の汚れがある)の大部分の品種は根の先端が茶褐色で、「泥根」と呼ばれます。
 泥軸の少数の品種は澄んだ緑色の「青根」を出します。
 泥軸の少数の品種は美しいルビー色の根を出し「ルビー根」と言って珍重されます。
 泥軸の品種は、他、赤みの強い根や、黄色みの強い根など品種により、様々な色の根をだします。
 青軸の品種は大部分が青根で、残りは薄黄色や乳白色の根です。
 青軸で赤根の品種があると聞いた事があり、本当だとしたら大珍品かも。
◆泥根◆どろね  成長期に根先に泥(アントシアン)が入り、茶色となる根。ほとんどの品種が泥根。
◆赤根◆あかね  成長期に根先に泥が入り、赤色となる根
◆青根◆あおね  成長期の根先の色が緑色となる根。青軸のものが多い。
◆黄根◆きね  成長期の根先の色が黄色となる根。品種は少ない。
◆白根◆しろね  成長期の根先の色が白色となる根。品種は少ない。
◆ルビー根  成長期に根先に泥が入り、綺麗な赤色又はピンク色となる根

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